くるくるワイドの「本体分割エントリー」が有効な場面と戦略を考えてみる

くるくるワイド(戦略ノート)

本体分割エントリーの有効性

本体を建てる時に、1回の注文で良いレートを取れればいいのですが、なかなかそう簡単にいかないことが多いものですよね。

くるくるワイドは、本体注文直後の逆行も想定されている手法だけど、なるべくならそういうのは避けたいものです。
だって逆行が早いと、トラップ益は少なくなるし、ヘッジを建てられるロット数は急激に減る訳で、そうなると仮想建値化も追いつかないし、なかなか逆行分をカバーするのが大変になります。

そういう早い逆行をカバーしやすくするためにも、本体の分割エントリーは有効かなと思うのです。

例えば、ドル円110円で本体の買いポジを建てた場合、急落で2円ほど逆行したとしても、分割でエントリーしていけば平均レートで有利になるので、ヘッジの攻撃力も一発で本体を建てた時より下がり難く、逆行に耐えやすくなります。

なので、チャート形状によっては、分割エントリーを使っていきたいのですが、今使っているEA(オートくるくるLite)は本体の分割エントリーには対応していません。
対応させるには、修正範囲が広く大変かなぁと思うので、今回は疑似的に本体を分割エントリーする方法を考えてみました。

両建てすることで、本体分割エントリーを疑似的に実現する

例えば先ほどの例で、ドル円本体買いを110円から下に分割で建てるケースを考えてみます。

普通に分割エントリーする場合

本体合計7万通貨を、
110円で3.5万通貨、109円で2万通貨、108円で1.5万通貨、
と分割するとします。

110円開始時点で、ロットは3.5万通貨。

109円まで下げた時点で、ロットは5.5万通貨
平均レートは(110×3.5+109×2)÷5.5=109.64円

108円まで下げた時点では、ロットは7万通貨
平均レートは(110×3.5+109×2+108×1.5)÷ 7=109.28円

となります。

疑似的に分割エントリーする場合

これをオートくるくるLiteでやるには、

まず、110円で本体7万通貨買いポジをEAで注文します。
同じく110円で、2万通貨を成行売り、1.5万通貨を成行売り、と手作業で注文します。
この時点で、両建てになっているので、両建て部分を相殺して3.5万通貨の本体買いポジを建てたのと同じことになります。

そして、2万通貨の成行売りの利確を109円で指値注文し、1.5万通貨の成行売りの利確を108円で指値注文します。

2万通貨の成行売りが109円で利確されたとき(利益2万円)、本体は残っている両建て1.5万通貨を相殺してロット的には5.5万通貨持っているのと同じになります。
レートとしては、本体7万通貨を、利確した利益2万円で仮想建値化することになるので、約0.29円建値を下げて109.71円となります。

普通の3分割は、平均レートが109.64円に対し、疑似3分割は、109.71円となり少しレートは悪いですが2つ目のポジを持ったことになります。

次に、1.5万通貨の成行売りが108円で利確されたとき(利益3万円)、両建ては無くなって本体ロットは純粋に7万通貨となり、疑似的な3分割エントリーが完了したことになります。
レートとしては、本体7万通貨を、利確した利益分3万円でさらに仮想建値化するので、約0.43円建値を下げて109.28円となります。

これで、普通の3分割と同じ109.28円で本体7万通貨を取得したことになりますね。

手順まとめ

少しややこしかったかもしれませんが、手順をまとめると

①オートくるくるLiteで本体を注文
 (例:110円で7万通貨買い)

②本体と逆方向に成行で注文する
 (例:110円で、2万通貨と1.5万通貨売り)

③成行注文した分の利確指値を設定する
 (例:それぞれ、109円と、108円で利確)

④利確すれば、その利益で仮想建値化し、建値レートを下げる

こうすることで、疑似的だけど分割エントリーできるので、少し戦略の幅が広がるかなと考えています。

分割エントリーが有効な場面と戦略イメージ

分割エントリーを使う時に、注意すべきは、ヘッジした時の損益分岐点かなと思います。

あまりヘッジのロットは下げたくないので、3万通貨くらいで初めたとして、本体はスタート時点で3.5万通貨なので、もし一気に上げた場合はトータルの損益がゼロになる所で全決済して仕切り直すという感じでやると、逆行時に強く、一気に順行した時は損失なく終了できる戦略になると思います。

戦略イメージ

ここまで書いて、本体の分割エントリーは、一時的な逆行が想定される時に有効な方法だなと思っています。
それがどういう時かというと、大きな流れは上昇なんだけど、小さな流れは下向きな時。いわゆる上昇トレンドの押し目形成中で、まだ押し目はもうちょっと下だろうという時です。

だから予想に反して一気に上昇してしまえばゼロで終わっていい訳ですし、予想通り押し目を付けに下げれば、その間でトラップとヘッジの利益を稼ぎながら、本体も有利なレートで建てれて、押し目付近でそれまでに得た利益で複利を建て、押し目完了後の上昇でしっかり取る、そんな感じの戦略になるかと思います。

少し裁量要素が強いですかね?
でも、全体の流れが分かっていて、押し目候補が分かりやすい時は、有効な戦略だなって思ったので記事にしておきました。

全体の流れ?押し目って?
どの通貨が狙い目なのよ?
みたいなのを判断するのに、僕は雲色インジを参考にしています。
詳しくはこちら。
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コメント

  1. JJJOOO より:

    初めまして、コメントにて失礼いたします。
    ご紹介いただきました、両建てにて疑似的に本体分割エントリーする方法ですが、
    その場合のトラップの張り方とヘッジはどう考えればいいでしょうか?

    • RJ(ろじゃ) RJ(ろじゃ) より:

      はじめまして。
      コメントして頂いてありがとうございます!

      僕はEAを使って注文するので、最初に注文する本体7万通貨に対してトラップは1000通貨×70本建てています。
      疑似的には、本体は3.5万通貨建てたことになるので、出口を本来の半分の場所にして、ヘッジも半分の1.7万通貨くらいでやると計算が合うと思います。
      そして、下落して分割分が利確出来れば出口の位置とヘッジ量を調整するといいと思います。

      ただ計算が面倒なのと、逆行を想定しているのでヘッジを多めに考えて、記事ではヘッジ3万通貨の例で書いています。
      (2~3万通貨くらいでいいのかなという感覚です)

      いずれにしても、下落を想定しているので、そのまま上昇すると通常の出口では損益が合わなくなると思います。
      だからヘッジ量については割とざっくりと考えて、そのまま上昇したらシンプルにトータル損益がプラスマイナスゼロになる手前で利確するというルールにしています。

      いつも分割を使うのではなくて、記事中に書いた「戦略イメージ」のような動きを想定できる時にいいかなと思いますよ。

      • JJJOOO より:

        RJ様

        つたない質問にも関わらず丁寧なご回答誠にありがとうございました。

        トラップは本体7万通貨でのトラップ本数想定でスタートし、
        ヘッジのみ分割した本体両建てが決済されない場合は3.5万の半量の1.7万通貨ですね。

        ご回答頂きました通り、図で再考してみましたら理解することができました。

        くるくるワイドはまだまだ勉強中でして、RJ様の記事を何度も読み返させていただいております。

        特に仮想建値の部分が、難しいです。
        ヘッジ・固定の利益を仮想建値化してしまいますと、固定が消える分、
        更なる仮想建値がしにくくなるよう気がして
        いまいち理解できません。

        この度はご回答ありがとうございました。
        今後も勉強させて頂きます。

        • RJ(ろじゃ) RJ(ろじゃ) より:

          こんにちは。
          理解できてよかったです。
          ヘッジの量は、マイナスにならない範囲で臨機応変にいろいろ試してみて下さいませ。

          仮想建値化と固定については、
          本体買いの場合、下げれば仮想建値化する。
          戻れば仮想建値化を解除して固定を立て直す。
          もう一度下がれば、固定を利確して仮想建値化する。
          こんな感じで、仮想建値化を増やすことが出来ますね。
          (戻りをある程度の値幅想定しておくと固定益が稼げていいと思います。)

          僕はあまり積極的に固定は使っていないので 、戦略的に引き出しは少ないです。
          またいい戦略が出来そうなら記事にしてみますね。