トラップの利確幅を再検証(本当に10pips利確は有効なのか?)

くるくるワイド(戦略ノート)

トラップの利確幅を再検証してみようと思う

以前、トラップの設定について検証し記事を書きましたが、その時は比較的ボラが安定した部分で検証して、10pipsや5pipsといった小さな利確幅が利益が多くなるという結果になりました。

利確幅を小さくすると、ちょっとした値動きであっても利益になる反面、大きく動く場面では、逆に利益が少なくなることが予想されます。

先日のコロナショックや、その後の余波では1~2か月ほど比較的大きな動きが続いていましたので、利確幅をやや広げて15pipsや20pipsくらいの設定でやることもありました。

その時も気になっていましたが、実際どれくらいがよかったのか?どれくらい値幅が大きくなれば利確幅を広げるといいのか?など、振り返って再検証して今後に生かして行ければなと思っています。

設定のイメージとしては、運用期間全体を通してトラップ益の合計が多くなる設定を狙っています。

FXの相場は、値動きの強い期間は比較的短く、レンジ相場の割合が多く期間も長いので、一過性の突発的な動きに照準を合わせるのではなく全体の値動きを見て、どちらかというとレンジ内で回転を上げて利益を積み上げていけるような設定になると思います。

ショック相場では50pips利確の方が有利なのか?

チャートはドル円の4時間足です。

チャートの①の部分、2020年2月28日~3月9日 を検証してみました。
コロナショックのスタートはよく分かりませんが、チャート的にブレイクアウトして勢いが出始めた所にしてみました。
この期間は、一直線に下げる場面が多く、大きな窓も空いています。
7営業日で、約8.5円の下落です。

くるくるワイドの基本設定

初期資金 100万円
本体 7万通貨(買い)
本体出口 7円上
本体SL 14円下
トラップ 70本×1000通貨(売り)
トラップ幅 10pips

50pips利確と、10pips利確をテストしてみました。
3.5円下落したところで、トラップはワイド化しています。
ワイド化後にトラップ幅が利確幅より大きくなった時は、トラップ幅分の含み益で利確するようにしています。

50pips利確の方が利益は多く、差額は8297円となりました。
やはり、これくらい大きく一直線に動く時は、50pips利確が有利ですね。

ただ、一直線の下落に見えても、意外と数十pipsの上下動と細かなレンジ⇔ブレイクを繰り返しているようで、思っていたよりも10pips利確でもトラップを回転させることが出来たようです。

それと、全体で8.5円幅の下落ですが、3.5円下落以降はトラップ幅が広がって利確幅も広がっているので、トータル益は思ったより差は少ない結果でした。

ショック相場の余波だとどうなのか?

チャートの②の部分、2020年3月10日~3月30日 を検証してみました。
余波と呼んでいいか分かりませんが、一直線な動きが終わり、値幅の大きい上下動が繰り返される期間です。
検証の途中で7円上の出口に到達してしまったので、実質の期間は3月10日~18日となり、
7営業日で7円の値幅です。

こちらも50pips利確の方が利益が多く、差額は5640円となりました。

波の値幅が大きく、50pipsの利確幅でもどんどんトラップが回転しています。
また、大きな波の中に小さな波をたくさん形成していて、その小さな波を10pips利確では更に回転を上げて利確している感じです。

画像で見ると50pips利確がこんな感じで、

10pips利確はこのように更に小さな波を何度も捉えている感じです。

そして、短期間に大きな上下動がある場面では、短い期間で大きな利益が得られていることもわかります。

どちらかというと、ショック相場の初動より、余波の方が上下動が激しくて利益も多いですね。

ということは、ショック相場では慌てて参戦せず、ある程度一直線な動きが落ち着くのを待って、余波を狙う方が方向性も読みやすく大きな利幅を狙えて美味しいような気がします。

そしてこのボーナス期間は、初動が落ち着いた後の数週間から1か月程度のことが多いので、積極的に入っていきたいなと思いました。

余波が落ち着いた後ならどうなのか?

チャートの③の部分、2020年4月~5月 を検証してみました。
ショック相場の開始から1か月程度経過して、大きな値動きが落ち着いて、レンジ相場となっています。
2か月間で最大3.5円程度の値動きです。

通常の値動きに戻ってきているので、10pips利確の方が利益が大きく、差額は14663円となりました。

一過性の動きはどうなのか?

最近(6/8)結構大きく動いた印象のあるこの動き(緑矢印部分)はどうでしょうか。

4営業日で3円ほどの値動きです。
一過性の動きとしては大き目な動きですね。
もう少し左から見ると、先ほどの③のレンジと比較が出来ます。

急な動きですが、それでも結局はレンジの中にいるわけで、すぐに落ち着いてこれまでのような値動きに戻っています。
結果的に6/30時点では、トラップ益は、10pips利確も50pips利確も確定益はほぼ同じになりました。

この大きな下落の部分だけだと、利益の出方はどう違うでしょうか。
緑の矢印部分のみ(6/8~11)見てみます。

50pips利確の方が利益が大きく、差額は5814円でした。

この部分の下落は小さい波の上下動も少なかったので、10pips利確の回転が落ちて差が開いたようです。

まぁまぁ差があるし、もったいないなぁと思いますよね。

僕の考えでは、普段の値動きに合わせて利確幅を10pipsで運用していたとして、
突然この下落に会い、半分(約150pips)ほど下げたところで下落の勢いが強いとみて、50pipsの利確幅に変更する。
すると5814円だった差額が3500円に縮まったとします。

この差が大きいと見るかどうかなんですよね。
僕がよくやるのは利確幅を15pips前後に増やすようなことはやりますが、あまり大きな変更はしないです。

実際下げきったあとは、すぐに普段の動きに戻っていますし、あまり大きく変更し過ぎると、戻すタイミングもうまくしないとトータルで微妙な結果になることが多いです。

そういうこともあって、一過性の動きにあまり振り回されないように、微調整程度の意識で設定しています。

別の通貨だとどうなのか?

もう少しボラの大きい通貨ならどうなのかやってみようと思います。
比較的ボラの大きいポンド円の2020/6/1~6/30で、テストしてみました。

チャートは4時間足、テスト期間は青の網掛け部分です。

1か月の値幅は約8円、上に7円上昇し、その後8円下落。
コロナショック時のドル円の余波のような動きです。
だったら、ドル円の時と同じで利確幅は広めの方がいいかもしれませんね。

週足で見ると、この陽線陰線の部分なので、1か月の値動きとしてはやや大き目な場所になると思います。

テスト結果は、こんな感じです。

予想外に、10pips利確でこの値動きをカバーできてしまったので、他の利確幅もやろうと思ったけど、20pips幅だけにしました。

利益的にも結構あるので、値動きのある通貨は美味しいというのが分かります。
ショックじゃないのに、ドル円のショック余波のような動きが、出現するんですからね。

設定の特徴についてまとめてみます。

利確幅の違いによる特徴

<50pips利確>
小さい波の上下動が少なく、一直線に逆行する場合に利益が大きくなる傾向が見れます。ショック相場や、その余波などに強い印象です。
逆に順行時はかなり利益が少なくなります。

<10pips利確>
小さい波の上下動があれば、大きな値幅の値動きでも割と対応できるようです。
ショック相場などの大きな逆行時は、50pips利確より利益は少なくなる傾向です。
反面、順行時はショック相場であっても比較的利益が期待出来て、平均的にどの場面でも利益が積み上げられる印象です。

<20pips、30pips、40pips利確>
数値的にも特徴的にも、50pipsと10pips利確の中間な感じですが、利益は中途半端な結果になることも多いです。
ボラが大きい時に10~20pips利確くらいを調整しながら使うのが良さそうです。

<5pips利確>
夏枯れ相場、クリスマス相場のように、特にボラが少ない時に設定することが多いです。
1分足や5分足の波が小さくなるような期間は、5~10pips利確くらいで調整します。

<利確幅と波のサイズについて>

利確幅を大きくすると大きな波をガツッと取り、利確幅を小さくすると小さな波をコツコツ取り、その回転力で利益を積み上げることになります。

なので、小さな波が沢山あれば小さな利確幅が有利に機能し、なければ大きな利確幅が有利になるということですね。
ポンド円の10pips利確がうまく機能したのも、小さな波がたくさん発生したからだと思います。

また大きな波の1回のスパンが長ければなかなかトラップが回転しないので、小さな利確幅が有利になりますね。

トラップ益は、一回の利益×回転力 で積み上げられます

じゃ、どっちで設定するか?

ベストセッティングは、相場が出来上がってみないと分からないんです。
この先一気に動くことが分かっていたり、小さく激しい値動きが繰り返されることが分かっていれば最適な設定ができるんですけど、そんなこと事前にそうそう分からないので。

だから、頻度が多く発生する方を基準に設定しているわけです。

1分足や5分足を見れば、小さな値幅の波が繰り返し発生しているのが分かると思いますが、その動きがある限り、小さめの利確幅は機能しやすいと思います。

小さな波が無くなる時って一時的なことが多いし、ある程度続くのはショック相場みたいな時くらいですよね。

結果は分からないけど、僕はそういう特徴から設定を考えています。

まとめ

ちょっと長くなりましたけど、いろんなケースでトラップの利確幅を検証してみました。

トレードをしていると何が正しいか分からなくなったり、これでいいのか信じられなくなることが多いですが、今回の検証はそういう迷いを少しでも減らせるものになればなぁと思っています。

値動きが激しくなった時に浮足立たないで、じっくり落ち着いてできる方がいいですからね。

ということで、その時の状況でベストと思える設定をしていくしかないのですが、余程のショック相場でない限りは、10pipsを基準にして5~20pipsくらいの間で調整してやっていこうかなと思います。

もしトラップの利確幅に迷いがあるようでしたら参考にしてみてください。

今日も読んで頂いてありがとうございました。

※今回のテストについて
特にショック相場の部分は、スプレッドが広がっていた期間が長く、実際は検証の通りにエントリー出来なかったり、テストデータの精度の問題で記載している金額などの数値は参考値程度で考える必要があります。記載しているものは、利確幅の傾向を掴むためのテストデータと考えて下さい。

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